パリ ギメ展レセプション番外編
私のスピーチが終わって大きな扉が開かれました。待ちくたびれた日仏の大勢の人々がどっと会場に入って行きました。
左右半円形の会場は階下に図書館を具えたギリシャ風の彫刻をいただく柱に支えられたクラシックな吹き抜けの建築です。
このレセプションの行われる前にプレスの人々の質問がありました。印象に残ったのは一人の若い青年が興奮気味で私にいろいろ尋ねに来たことでした。「いつから伝統からコンテンポラリーに変わったのか」「その動機は何なのか」「いろいろなモチーフがあるようだが作品にする迄どんなプロセスで仕上げるのか」「最後に我々記者達の多くはこの作品群を見て興奮している。第一楽しい。元気が出た」と。
私はこの展覧会の準備中8月9月、フランスのバカンス前後、ずーと会場構成についての日仏のやりとりが難航したことを知っています。ギメの当事者の学芸員が自分のこの会に対するプランをキチンと建てていて、一歩も自らの方針を曲げようとしないのです。それは自分達ギメ美術館は国立であり、ギャラリーではない教育的見地があるというのです。それでこの作者の原点はアイヌだということ、もう一つは作品を製作年順に陳列すること、作者の使う道具を持ち込み型染めというものが分かるようにすること、などです。
幸い北野武さんのご好意によって、かつて作った「たけしアートビート」の番組を短く再製し、武さんのメッセージをフランス語で吹き込んだビデオを会場で見せることで型染めの実際のプロセスがわかるようになりました。しかしアイヌの厚子はそのまま残っています。
ともかく皆さんの努力の結晶がこの展覧会なのです。
どうぞご想像の上、ご覧ください。
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2014年10月28日 update |