旧電業会館緞帳、修復プロジェクト

 第5回

2023年夏・前編 洗浄

夏休みの間、大学の教室を利用して、内装クリーニング専門業者(東洋洋染)による洗浄が行われることになる。洗浄の前後、2回、緞帳の裏面にラテックス(液状のゴム)を塗る。

1回目は洗浄に耐えうる強度を持たせるため、洗浄後の2回目は、新しい基布を貼り付けてラテックスを塗ることで、さらに展示に耐えうる強度を上げるため。
洗浄の準備とその後の補強なども含めて作業は1ヶ月ほど行われた。
業者さんのクリーニングはバキュームによる埃取のあと、リンサーで汚れを浮かし、吸引した水は真っ黒になった。落ち切らない汚れは手作業で行われ、見違えるほどきれいになる。


コンパネで作業用の木枠を制作する。補強のためのラテックスを塗る時に緞帳が縮まないように貼り付ける枠となる。

 


新しい布が周囲に縫い付けられた緞帳を木枠の上に拡げる。

 


裏返して基布をひっぱりながら、四方全ての木枠に釘で打ち付けた後、 緞帳の裏に薄くラテックを塗っているところ。

 


端から端へ、たわしで毛が抜けないようラテックスを丁寧に塗る。地道な人力作業




専門業者による洗浄が一日がかりで行われる。

 


特に汚れがひどいところは手作業で行われる。

 


洗浄により見違えるほどきれいになり、積年の埃が除去され色が明るくなる。

つづく