旧電業会館緞帳、修復プロジェクト

 第4回

2023年5月 補修

この緞帳再生プロジェクトは渡邊三奈子先生をリーダーに、女子美術大学の工芸の先生方と卒業生が行うこととなる。修復手順に関しては村上敷物株式会社のアドバイスをいただき、タフテッドラグの第一人者である横浜美術大学の高瀬ゆり先生に技術指導を依頼し、念入りにミーティングをして進められる。

制作より60年近くの時を経て、劣化がはげしい緞帳は崩壊する恐れも懸念され、まずは洗浄する前に3日間かけけて、補修作業が行われる。穴が開いている箇所を化学ゴムセメント(糊)で補強し、緞帳の周囲のボロボロに劣化した基布を剥して交換する。

 
経年劣化で激しく痛んだ周囲の基布。
 
 


緞帳の裏面。痛んだ部分を補強するために縫い付けられていた布やボロボロになった枠の基布をすべてほどく。

 


穴の開いた部分を応急処置。化学ゴムセメント(糊)で補強する。

 


真っ黒に汚れた緞帳の毛糸。特に端の汚れはひどい。

 


新しい基布を補強部分にパッチワークする。四方にも新しい基布を縫い付けボンド補強する。

 

つづく