1960年代、柚木沙弥郎は横浜市に拠点をおく建築家・吉原慎一郎の依頼により、多くの建築内の装飾として使われる緞帳やタペストリーなどを製作した。本人による年譜や文献には、全共連ビルレリーフ、電業会館緞帳、京王プラザホテル、横須賀市民ホールなど記載が残っているが、その多くは現存しないか、所在がわからない状態であった。そんな中、別冊太陽で柚木の特集号が組まれることになり、その取材において1966年に製作した神奈川県電業会館緞帳が現存していることがわかり、取材撮影を行い、初めて誌面で写真を紹介することとなる。 |