この催しのテーマは「ゆっくり暮らす」がいいんじゃないかと相談をしたんですが、それからまもなくコロナのウィルスの疫病が世界的に蔓延してしまって、先を越されたな、と笑ったことがありました。
コロナのことは 世界中を変えるようなことで 私は天からの声だと思うんです。
“そんなに焦らずに立ち止まって、一人一人の人間が今自分がどのような考えを持っているのか しばらく考えてみなさい”と言っているように思います。
私はあと2年で100才になりますけれど、個人としては長いようでも短かい時間だと思うんです。その物差しで考えますと 私の父が生きた時代は100年 それから祖父はその先100年。
しかしこの間 日本はものすごく急いだと思うんです。そして太平洋戦争という破局を迎え、その後始末を あるいは反省をする時間もなく、次のステップに突き進んで現代がきているように思います。
個人個人が立ち止まって元々の自分に立ち返って考える いいチャンスではないかと思うんです。この機会に手紙を書く人が出てきたり、あるいは語学のスキルをあげる講習会に行く人がいたり いろんな人がいます。
自分たちが住んでいる住まいに目を向ける人もいると思うんです。住まいというのはその人の居心地のいい気持ちのいい場所であってほしい。このIDEE SHOPがみんなにとっていい雰囲気をもったお店になってほしいと思います。
おしまい。
2020年9月3日 IDEE TOKYOにて インタビューより |